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加藤 千明; 木内 清
Journal of Acoustic Emission (CD-ROM), 19, p.53 - 62, 2001/00
ジルコニウムは高酸化性沸騰硝酸溶液中においても、ステンレス鋼に見られる過不働態腐食のような加速的な腐食を示さず優れた耐食性を示すため、再処理施設の溶解槽等に使用が予定されている。しかしながらジルコニウムは高濃度沸騰硝酸環境において応力腐食割れ(SCC)が生じることが報告されており、再処理施設の安全性にかかわる課題としてSCCのモニタリング法が必要となる。この点からSCCのモニタリング法としてアコースティク・エミッション(AE)法を検討した。その結果、SCCの発生とAEの発生数は良く対応しており、高濃度の硝酸下においては、低い応力レベルよりAE発生が確認され、硝酸濃度によりジルコニウムのSCC感受性が高まることが明らかとなった。また12規定沸騰硝酸環境では、0.2%耐力程度の応力がSCCが生じることがわかった。
鈴木 和彦*; 島田 行恭*
JNC TJ8400 2000-052, 136 Pages, 2000/02
HAZOP(Hazard and Operability Study)は多くのプラント、プロセスの安全評価に利用され、その有用性が認められている。しかし、解析には多くの時間と労力を要するという問題があり、計算機により自動化する研究が行われている。昨年度研究報告書では、プラント構成要素の異常の因果関係を記述するための要素異常基本モデルを提案し、異常伝播構造の情報を考慮に入れた安全評価支援システムを開発した。システムの開発にはGUI(Graphical User Interface)に優れたオブジェクト指向開発ツールであるG2を用いた。このシステムを高放射性廃液濃縮工程の安全評価に適用し、有用性を示した。本研究では、より詳細な解析結果を得られるようにするために、HAZOP解析システムの解析能力を向上させることを目的とする。昨年度提案した要素異常基本モデルを利用し、プラント構成要素単位の異常伝播とプラント規模の異常伝播を考慮したHAZOP解析を行う。さらに、複数の物質を処理する装置を対象とした影響解析、原因解析を詳細に行うことのできるHAZOP解析システムを構築する。知識ベースに物質情報を新たに加え、複数の物質に対するHAZOP解析を行うことで、様々なプラントを解析することが可能となる。本研究で提案したHAZOP解析システムを用いて、再処理プラントの高放射性廃液濃縮工程を対象とした安全評価を実施し、その有用性を示す。
佐山 隼敏*; 鈴木 和彦*; 島田 行恭*
PNC TJ1612 96-001, 84 Pages, 1996/03
HAZOPは、国内外において数多くのプラントプロセスに適用され、その有用性が高く評価されている。しかし、実プラントの解析を進めるためには多大の労力と時間を要する。このような問題に対して、計算機によりHAZOPを支援するためのシステムが提案されている。本報告書では、動力炉・核燃料開発事業団の委託により(株)三菱総合研究所が開発したHAZOP支援システムをいくつかのプラントに適用し、支援システムの汎用性を確認するとともにいくつかの問題点を提示する。プロセスプラントには制御回路などの電気回路を含むが、これら回路に対するHAZOPの手順を示す。さらに、システム工学の入出力の概念を基礎とし、論理型人工知能言語Prologを用いて開発したHAZOP自動解析システムについて報告する。異常の因果関係の分類を行い、要素の異常に関するデータをデシジョンテーブルにより整理し、データベースとして計算機に格納しておく、知識ベースとして計算機に入力する対象プロセス固有の情報を基に、ずれに対する原因、影響をデータベースの検索により取り出し、HAZOPの解析結果として出力する手法である。
加藤 千明; 菊地 正彦; 木内 清
JAERI-Research 96-019, 20 Pages, 1996/03
ジルコニウムやチタン合金は、腐食電位の高い高酸化性硝酸中においても過不働態のような加速腐食傾向を示さない優れた耐食材料であり、国内外における商業再処理プラントの常圧沸騰運転機器に使用されている。しかしながら、ジルコニウムやチタン合金は、硝酸中で応力腐食割れ(SCC)感受性を有することが報告されており、長期耐久性の観点から、SCCの機構および支配因子を明らかにすることが重要である。本報告では、ジルコニウム、Ti-Zr合金Ti-5Ta合金のSCC感受性をSSRT法を用いて評価した。また、同時に試験片の採取方向および応力集中における影響などの機械的変形挙動を採取した。
小池 忠雄; 西尾 軍治; 高田 準一; 塚本 導雄; 宮田 定次郎; 渡邉 浩二*
JAERI-Tech 95-005, 84 Pages, 1995/02
再処理施設で使用する溶媒と硝酸の熱分解反応は発熱性であるので、溶媒と硝酸が存在する状態で温度しきい値(熱的制限値)を超えて加熱すると、急激な熱分解反応を引き起こす恐れがある。原研では、科学技術庁の委託を受けて、再処理施設において想定される溶媒と硝酸の急激な熱分解反応が蒸発缶などの加熱機器の安全性に及ぼす影響について実証試験を実施した。本報告書は、硝酸や硝酸ウランを含む溶媒の熱分解反応挙動、反応速度、反応熱等の試験結果についてまとめたものである。さらに、再処理モデルプラントのPu蒸発缶を対象にして、溶媒と硝酸の熱分解反応に関わる熱的制限値の妥当性や自己反応温度の意味を明らかにし、再処理プラントにおけるPu濃縮蒸発缶の安全裕度を推算した。
吉田 浩; 成瀬 日出夫; 大川 慶直; 胤森 望*; 堀切 仁*
JAERI-M 93-107, 112 Pages, 1993/05
本設計検討は、ITER(CDA)/FERのトリチウムプラント概念設計の一環として実施したものである。検討対象建家としてはレイアウトが比較的明らかになっているFER建家を用いた。報告書の内容は以下の通りである。(1)従事者、一般公衆のひばく防護に関する各種法令の比較検討、(2)再処理施設、PWRにおけるゾーン区分の調査、(3)原子力施設における建家気密度の調査、(4)核融合実験炉建家におけるゾーン区分(案)、(5)雰囲気トリチウム浄化設備(通常時、分解修理時、事故時用)の系統設計、機器設計、配置設計、(6)大量トリチウム放出事故時の所要換気風量と運転時間、(7)雰囲気トリチウム浄化設備からのトリチウム廃液発生量、廃液濃度推定、(8)トリチウム廃液の減容濃縮設備規模検討。